

7月26日(土)は、奈良県野迫川(のせがわ)村の北部にある、「雲海の里の宿」という民宿に一泊しました。
非正規雇用の契約社員なので、土日しか休みが取れない→その上最近はどこも外国人観光客で一杯で宿も取れない→どこか近場の避暑地でも→洞川温泉は以前行った事があるので、まだ行った事のない立里荒神へ→同じ野迫川村にある宿を探していたら、この宿がたまたま空いていた、という事で直前に予約。
一泊1万7千円もするのだから、さぞかし豪華な料理が出るだろうと思いきや、素泊まり料金で食事は別だと。
おまけに、同じ村内でも、宿から立里荒神へは、山二つ越えて行かなければならない。とても歩いて行ける距離ではない。土日は村営バスも走っていない。なのに、宿に空きがあるからと、ろくに調べもせずに簡単に予約を入れた私が悪いのです。
でも、直前の予約なので、もはやキャンセルも出来ない。渋々承諾する事に。幸い、立里荒神行きのバスには空席があったので、予約なしでも当日のうちに参拝を終える事が出来ました。(私が書いた立里荒神のクチコミを参照)
その足で高野山に戻って来て、奥の院前のバス停で宿の送迎の車を待っていたら。やにわに後ろから声をかけられ、振り向くとそこには宿の女将が。送迎車の中で、午前中に立里への参拝を済ませた事を伝えると、立里荒神のいわれについて色々教えてくれました。
立里荒神のいわれを書いた縁起書の説明書きを読んでも、昔の文章なので何が書いてあるのかサッパリ分からず、諦めていた時に、女将さんが車内で分かりやすく説明してくれたので、大変助かりました。
それが、この民宿との最初の出会いでした。この民宿は、「昭和食堂」というレストランも宿の隣で経営されていて、他にはもう店らしい店もない山村の中で、観光客にとっては貴重なオアシスとなっている事を知り。


更に調べると、少し離れた所にあるソロキャンプ場の受付もされており、キャンプ場利用者が近所の農家の畑仕事を手伝えば、野菜のおすそ分けが受けられる仕組みになっているのだとか(詳しくは知らないので宿の女将さんに聞いて下さい)。
夕食は豪華な味噌豚陶板焼き定食、翌日の朝食も超厚切りのトーストセットを提供していただき、普段不足しがちな野菜や果物も豊富に摂る事が出来ました。
おまけに、宿の近くにある穴場スポットの情報も教えていただき、大変参考になりました。この穴場スポットは、一見何の変哲もない神社ですが、中身は大違い。私達が普段抱いている神社の常識を見事に覆してくれました。(私が書いた野川弁財天のクチコミを参照)
宿の値段は決して安くはないです。部屋にはテレビもありません。布団の準備や後片付けもセルフサービスです。民宿なのでお風呂も家族風呂です。山間部なのでWi-Fiを使っても通話やインターネットが途中で途切れたりします。


その代わりに、夜は摂氏20度近くまで気温が下がり、ひぐらしの声を聞きながら、ゆっくり寝る事が出来ました。夜はエアコン要りません。連日酷暑で熱帯夜の大阪と比べたらもう天国です。
不便な部分も、決して宿だけの責任ではないと思います。1970年代には1400人を超えていた野迫川村の人口も、今や300人ほどしかいなくなり、離島を除けば日本一人口が少ない村になってしまいました。
これだけヘアピンカーブで急傾斜の狭く細い道が続き、バス路線も1日1便まで減らされたら、そりゃあ村の人口も減ります。もはや村にはスーパーも銀行もありません。第一次産業振興予算も年々削られる一方で。

例えば、同じ土曜日に、同じ村内にある平家の落人集落で、花火大会や夏祭りが行われていましたが、そこに行く便がないので、私は指を咥えて見ている他ありませんでした。
そんな中で、村おこしに躍起となっているワンオペの女将や、高野豆腐伝承館、立里荒神参籠所食堂のパートさんを見ていると、多少の不便は仕方ないのかもしれません。
せっかく豊かな自然と文化があるのだから、交通の便さえ、もう少し良くなれば、村の人口も観光客も、もっと増えるのではないかと思います。